イサムエアーゾール エアーウレタン塗装上の注意_1

ご存知ですか?シリーズ 塗装上の注意_1



2021年4月14日

こんにちは!!
イサムエアーゾール工業、営業担当のMです。
本日の「ご存知ですか?」シリーズは、スプレー塗装における注意事項”ちぢみ編”です。

※今回の注意事項につきましては、特に多くのお客様にご愛好いただいております「エアーウレタン」をメインにご説明させていただきます。

【塗装の大敵〜ちぢみとは〜】

日頃、塗装していると様々な問題が発生します。
やはり塗料というのは、”半製品(はんせいひん)”という位置づけのため、ユーザー様が対象物に塗装してはじめて製品として役に立つことができる商材となっております。 そこで問題となってくるのが、塗装環境塗装条件です。これらを抜きにして塗装について語ることは不可能だと思います。

さて今回はそれらの問題を踏まえて、「これから夏本番!!夏場で起こる可能性がある”ちぢみ”」についてお話させていただきます。 まずは、ちぢみとは何かについて勉強していきましょう。

ちぢみとは、塗膜が層ごと浮き上がって、シワ状になる欠陥

塗膜面にシワやヒビのようなものが発生しているのが”ちぢみ”という現象です。
ちぢみ

【ちぢみの原因】

では実際、どんな時に発生する可能性があるのでしょうか。
例えば、エアーウレタンを塗装する場合、

1)エアーウレタン以外の他の塗料との組み合わせ時
2)エアーウレタンを塗装したのち、乾燥途中の状態(塗装後3時間〜翌日)で上塗りした時
3)エアーウレタンを厚塗りした時

の3つが考えられます。
もちろん、これ以外にも可能性はありますが、今回は発生しやすいBest3のみご紹介します。

1)エアーウレタン以外の他の塗料との組み合わせ時

エアーウレタン同士の塗り重ねであれば問題はありませんが、他の塗料(一般エアゾール塗料)との組み合わせには注意が必要です。 上塗り塗料中(エアーウレタン)の溶剤で旧塗膜や下塗り塗料が侵されることで発生する可能性があります。

2)エアーウレタンを塗装したのち、乾燥途中の状態(塗装後3時間〜翌日)で上塗りした時

エアーウレタンの乾燥過程の塗膜は、耐溶剤性能を発揮できる途中にあるため、耐溶剤性・密着性など中途半端な状態になっています。 このため上塗りの溶剤によって概ね塗装後3時間〜翌日の時間帯では、塗装済みの一層目の塗膜が侵され膨潤状態になり、塗膜全体にひずみを発生させ、ちぢみが起こる原因になります。

3)エアーウレタンを厚塗りした時

エアーウレタンを塗装した際、「どうも艶が納得いかない」などもっと塗り込もうとつい厚塗りになってしまうことがあります。 その時に溶剤分が最初に塗った塗膜を通過して、そのまた下の塗膜を侵し、溶かしてしまうことでちぢみの可能性が発生します。

【ちぢみの対策】

以上3つの原因をご紹介してきましたが、対策はどのように行えばいいでしょうか。


まずは、1)下塗りから上塗りまで「エアーウレタン」で塗装することをオススメします。 やはり同じ塗料同士で塗装することが一番トラブルが少なく、安心して塗装することが可能です。
エアーウレタン特設ページ

その際に注意することは、2)エアーウレタンの塗り重ね時間帯は、約2時間内(20℃)で塗装することです。 仮に、3時間以上経過している場合は、完全硬化(78時間)を待って、塗装面を1500ペーパーやスコッチブライトで軽く足付け脱脂してから塗装をお願いします。


以上、「ご存知ですか?」シリーズ第2弾、塗装上の注意事項”ちぢみ編”でした。

【最後に】

塗装をする上では切り離すことができない塗装環境や塗装条件。普段あまり気にされていない方は、ぜひこの機会に一度見直していただくきっかけになればと思います。
特に過酷な環境で日々塗装されている方にとっては、”仕上がり”に大きな変化を生む可能性があります。改めて感じますが、塗装って本当に奥が深いですね。

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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
今後とも有意義な情報を発信してまいります。よろしくお願いします!


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